人懐っこく、賢いデグーは、人気が上がってはきているものの、ペットとしての歴史はまだまだ浅いのも事実。
その為、デグーに必要とされる栄養素については、はっきりとわかっていない部分もあるようです。
デグーに必要な栄養素を考える場合、まずは主食の牧草(チモシーなど)と副食で補える栄養素の違いを把握しておきましょう。
ここでは、一例としてデグー専用のフードの成分をもとに、デグーに必要な栄養素を紹介したいと思います。
デグーの寿命は食べ物で決まる?
デグーは野生下においては、雑草などを主食とし、その他、草木の実、コケ、根、小動物なども食べている可能性がありますが、飼育環境に比べ、極端に寿命は短くなるのが普通です。
逆に考えるとデグーにとって十分な栄養素を与えることができるならば、現在のデグーの飼育平均寿命とされる約8~10年もさらに更新出来る可能性もあるでしょう。
デグーに必要な栄養素とは?
デグーの必要栄養素はよくわかっていない事もあるのですが、一例としてデグー専用に考えられた市販フードの成分を見てみましょう。
・Brisky社のデグー専用固形ペレットの場合
タンパク質 18.5%以下
脂肪 3.7%
繊維 15.0%
カルシウム 0.8~1.3%
塩分 0.3~0.6%
ビタミンA 8780IU/LB以下
リン 0.5%以下
・SBSコーポレーションオリジナルデグーフードの場合
タンパク質 19.0%以上
脂肪 3.50%以上
繊維 19.0%以下
カルシウム 0.60-1.10%
ビタミンC800mg/kg
デグーの嗜好にあったドライフルーツ・オーツ麦配合
このように見てみますと、デグーには、タンパク質と適度なカルシウム、そして脂肪といった栄養の他に牧草由来の繊維質なども十分に与えなくてはならないことがわかります。
デグーとビタミンC
デグーは自分でビタミンCを合成できないので、専用フードではビタミンCの添加されているものも多いと言えます。
ビタミンCは草食動物であれば新鮮な草などから十分に摂取できますが、飼育下では不足しがちです。
さらにビタミンCは壊れやすいので、ペレットなども開封して時間が経つと減少してしまいます。
飼い主さんも毎日新鮮な牧草を準備できない場合もありますが、おやつとして、少量だけでも新鮮な生の野草などを与えるだけで、ビタミン不足が解消されるでしょう。
野菜の中にも生のニンジン・ほうれん草・春菊・キャベツ・キュウリ・スイカの皮・バナナ・リンゴにはビタミンC酸化酵素などのビタミンCを破壊する成分も含まれていますので注意してください。
アブラナ科の緑の葉には、ビタミンC・ビタミンB群・カロテン・鉄分・カルシウム・カリウムなどが多く、抗がん効果もあるといわれデグーにはオススメです。
最近の専用フードはビタミンCが壊れないように不活性ガスが充填されたパッケージなどを使用しているものもあるようです。
デグーなどの小動物用のビタミンCサプリメントも販売されています。
デグーがビタミンC欠乏症を発症すると人間の壊血病とよく似た症状(無気力、体重があまり増加しない、徐々に衰弱、動きたがらず、びっこをひく、歯肉からの出血)などが報告されています。
血が止まりにくくなり体の関節部分に内出血が起きやすく、デグーは痛みで動作が緩慢になるようです。
免疫力も下がるため、感染症にかかりやすくなり、急死(のように見える)する場合もあります。
デグーへビタミンCを補給してあげると、健康にも良い結果が持たらされる事は特に研究飼育でも確認されており、出産前後の母親や出生3ヶ月未満の幼いデグーに対してビタミンCを飲料水に添加した場合の生存率を高める結果が出ています。
ビタミンC必要量
残念ながらデグーのビタミンCの必要量はよくわかっていません。
デグーはモルモットと同様にビタミンCを摂取する必要があるので、良質なモルモットフードを与えている飼い主さんもいます。
参考例としてモルモットの場合ではビタミンCの1日の必要量は約5~20mg/kg。
妊娠中や授乳中の雌は、1日に20~30mg/kg以上が必要とされます。
⇒デグーの臭い対策!消臭剤だけではダメな理由!
⇒デグー用品を探す